50代のボクです。50代に入ってから電験の勉強を開始し、3年で電験三種、電験二種ホルダーになりました。素人ですが、過去問の解説を試みます。自分で解くなら こんな感じ を分かりやすく示したいと思います。素人解説なので電験二種合格者でも、この程度ということでご勘弁を。
令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目 問15(a)
出典:令和4年度下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目 問題 問15
三相交流回路の問題です。電験三種を目指すなら是非とも得意分野にするべき問題。記憶系の問題と違って、出たらモノに出来ないようだと、過去問の点数が安定しないと思います。電験三種の理論科目の試験でギャンブル要素を無くしていきたいなら、この問15のような三相交流問題はキッチリ抑えたいところ。
考え方
2つの三角回路が並列に接続されています。ということは2つの印加電圧が同じ。ここで一応、三角形の中の3つの要素が全部同じであることを確認します。これが違うと3つの式について検討必要ですが、同じなら1個の式の検討でOKです。3つの要素は同じでした。
右のΔ回路をY回路に変換します。それで、2つの三角形について、各要素を直接比較することができるようになります。ただし、I2はΔ回路で流れる電流なのでY回路変換後は√3I2が流れることに注意です。
2つの回路が同じ電圧で、電流の比がわかっている ということは、インピーダンスの大きさの比がわかります。求めたいインピーダンスは抵抗なので虚数成分を持たず、インピーダンスの大きさ=抵抗値です。
方針が決まったところで、解いていきます。ΔーY変換すると、元のr→r/3となります。最終的に右端の単純な並列回路になります。2つの回路でオームの式を立ててみます
E=ZI= |6+8j|*I1=√3I2*r/3
√(62+82)*I1=I1*r/√3 (I2=I1より)
I1を消去して 10√3=r
√3は1.732・・・なので、 r=17.3 [Ω]
選択肢は(4)です。
インピーダンスの大きさで考えているので、位相が違っていても直接比較しています。
(b)の解説は長くなりそうなので次回します。