電験二種二次試験本番 機械・制御

電験二種

2020年度電験二種二次試験当日 機械・制御科目 最後の10分

令和2年11月22日 14:10過ぎ

心臓の鼓動が速まるのが自分でも聞こえた。

電験2種 2次試験本番の日。最後の科目の機械・制御の試験時間残り5分ちょっとというところで致命的な間違いを見つけてしまったのだ。

もう一度 問題文と自分の回答欄を見直す。

やはり2問目の最初の小問1問目が間違っている。よくやってしまう読み違えだった。問題文には単相変圧器と書いてある。回答欄はこの手の問題で多い3相と勝手に読み替えて解いてあった。

単純に電圧が全てルート3かかるかどうかだが、最初の小問で間違っているので、その結果を使っている全ての計算が狂ってくる。

この2問目が全滅すると不合格確定となる。

慌てて回答欄の計算を書き直す。慌ただしく電卓をたたき、途中計算の値を書き直す・・・。

機械・制御 の戦略

 電験二種二次試験は筆記試験で難しい数学を駆使して問題を解いていく必要があります。2時限目の機械・制御 科目は1時間で4問中2問を選択して解きます。合格ラインは6割くらい。1問完答+もう1問は半分解答 くらいは狙いたい。逆に1問を全滅させると不合格確定となります。

 どの二問を選択するか。作戦は制御で1問、変圧器、誘導機、同期機、直流機で1問。できたら両者とも8割以上を確保し、合格点+マージンを取る作戦としました。制御は比較的パターン化した問題が多い。しかし計算量が多く1問解くのに時間がかかるので、練習量は必要。ボクは過去問を解くうちに制御は得意という感触を得ていました。逆に過去問で安定しないパワーエレクトロニクス系はどうしても選択する必要がある場合以外なるべく選択しない。記述は過去問も解かなかったので出たら即捨てる。

 機械・制御は2問を1時間で解くので、1問30分 です。が、試験開始直後に全部の問題をざっと読み、選択する問題を決める作業と、最後の見直しの作業時間を考えると1問20分で解きたいところ。最悪1問25分まで。

 最初の問題選択は非常に重要です。これを試験最初の5分くらいでやっておきたい。解き始めてから難易度が高いことが分かって別の問題を選択しているようでは時間切れです。過去問とかけ離れた傾向の問題なら、選択予定の制御でも捨てて、他の分野を選択します。その辺りの判断が数分で出来なければなりません。

2020年度電験二種二次試験当日 機械・制御科目

2020年11月22日13:20
「始めてください」
問題を開いた。
2020年の機械・制御の問題は、①誘導機②変圧器③パワーエレクトロニクス④制御。論述問題はなかった。
作戦通り④を選択。③問目は捨て。①か②を迷うが、②をカンで選択した。

 まず、4問目の制御に取り掛かる。
制御はある程度やり方を固めて解くことが出来る。問題は時間。計算量が多い。小問があれば、最終小問を落としても6~8割を目指せるだろう。とりあえず、急いで制御を解いていく。幸いにも過去問の勉強が通用している。 目標通りの時間で制御はできた。
すぐに2問目に取り掛かる。なんとか解けそう。当然急ぎで解いていく。何とか 解ききった。試験終了まで10分以上時間を残すことが出来た。
 最後の見直しに取り掛かる。
まずは4問目の制御。なるべく初見のような気持ちで再回答を試みる。大丈夫そうだ。念を押すような気持ちで2問目の見直しに取り掛かる・・・。
 本ブログの最初に記したように2問目最初の小問が間違っていた。この最初の小問の結果を使っているので、残りの小問ははドミノ倒しのように間違って2問目は壊滅してしまう。
 多少 手が震えるような感じで電卓を打ち、回答を書き換える。この修正が間違っても終わりなので気になったら途中でも計算しなおす。何回も時計を見て、残り時間を確認しながら回答を修正する。
 終了してください
試験官の声がしたとき、丁度書き終えていた。
もちろん見直す時間など無い。なるべく計算間違いなど無いように進めたが自信は持てない。
会場である広島工業大学から駅に向かう人が歩いていた。やり切った充実感でもなく、失敗した絶望感でもなく、受かるかもしれんしダメかもしれんな~と思いながら橋を渡った。広島駅近くの駐車場から車に乗って高速で自宅に帰るときも、ただ疲れを感じていた。


まとめ

 もう述べたように2020年度ラッキーにもボクは電験二種に合格していました。実は二次試験のポイントは1次元目の電力・管理科目と想定していました。過去問の勉強でも機械・制御科目は比較的自信を持っていたのですが、試験本番は やはり何か起こります。魔物がいますね。このブログを始めようと思ったきっかけです。 何とかピンチを乗り越えて合格出来た理由は以下のようだったと思います。

  • 時間配分を最後の見直しができるように設定していた。
  • (上とかぶりますが)余裕を持って問題が解けるスピードを付けていた。
  • (精神論ですが)最後の瞬間まで諦めなかった。

 自分としては、それなりに準備してから二次試験に望んだと思っていたのですが、結局 紙一重でした。ミスを発見する時間的な余裕を持てた、最後の瞬間に慌てても再度ミスすること無く書き終えた、これらが出来たのは事前の準備が間違っていなかったためと思います。電験挑戦は長期にわたる事前の準備が勝負と思います。これからもボクの行ってきた勉強法や考えたこと、個々の問題について など綴っていきたいと思います。参考になれば幸いです。

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