素人解説 令和3年度 電験三種 理論科目問8

電験三種

50代のボクです。50代に入ってから電験の勉強を開始し、3年で電験三種、電験二種ホルダーになりました。素人ですが、過去問の解説を試みます。自分で解くなら こんな感じ を分かりやすく示したいと思います。

令和3年度 第三種電気主任技術者試験 理論科目 問8

出典:令和3年度  第三種電気主任技術者試験  理論科目 問題 問8

交流の定義に近い問題です。普段、実効値を使って計算しているので、ウッとなる人もいるかも。定義を覚えていれば落ち着いて解けますが、忘れてもよく見れば難しい問題ではなく、きっちり得点しておきたいところです。

図1,図2から読み取ること

  1. vが100√2(V)の大きさの正弦波なので実効値100(V)の交流です。
  2. I=E/Rより、I(の大きさ)=20√2
  3. 位相のズレは正の方向にπ/4。と、いうことは、tーπ/4の形です。

1.は気づかなくても解けます。

2.について実効値で計算するならI=20(A)で、グラフ化すると20√2の大きさの正弦波になります。素直に、vが100√2(V)の正弦波なので5(Ω)で割って、20√2でも大丈夫です。

3.はグラフからπ/4は読み取りましょう。方向は正方向にずらすときにはマイナスするのですが、忘れたときには、t=0として、sin(π/4)とsin(ーπ/4)を考えてマイナスする  と気づきましょう。

周波数50Hz

周波数fのとき、角速度ω=2πfです。正弦波を、sin(2πft)と書くか、sin(ωt)と書くか、は好みですが、角速度と周波数の変換は必須です。

今回の場合はf=50(Hz)なので、sin(100πt)の形です。

これで選択肢を考えることが出来ます。

選択肢

以上より選択肢は(5)となります。

脱線  実効値について

交流は正弦波で正負の値を繰り返します。ボクは機械系で電気が専門でなかったので交流はとっつきにくかったです。

実効値で考えると交流も直流と同じように、電力を電流✕電圧の形で考えることができる  という便利な表現方法ですね。(実際は力率を考えなければなりませんが・・・)

なぜ√2か?・・・数式は最小限にして、直感的に理解するなら  を示します。(わかっている人は読む必要はありません)

拙い絵で黒線は、y=sin t  です。イメージは振り幅=1の電流や電圧。電力を考えると、電力=電流✕電圧なので、y=(sin t)^2 です。これを赤線で示します。

当然、電力 =(sin t)^2  は0以上の値を取り、sin t  が0に近いところは2乗することでさらに小さくなるなど、y=1/2 を軸に上下に対象な形状になります。

数式で示すと、(正弦、余弦の2乗を1乗の形にする公式は必須です)

図の赤のハッチングで示した部分は、y=1/2  を挟んで上下に対象なので、凹と凸の部分の面積は同じです。よって、電力 =y=(sin t)^2 の面積は、y=1/2tの面積と同じになりました。

電力とは1秒あたりを示すので、赤線を t=0からt=1まで積分した面積です。電力は1/2 になりました。

電圧の実効値をE、電流の実効値をI  とすると、電圧、電流の最大値はそれぞれE*√2、I*√2 です。上の計算は電圧、電流の最大値を1とした場合のものなので、電圧、電流の最大値を代入すると2つの√2と1/2が打ち消し合って、電力  W=EI  が得られました。 

普段は実効値を意識していなくても問題が解けることは多いですが、波形まで遡る問題は、本当にわかっているか  聞かれているようで、電験は付け焼き刃では解けないことを実感しますね。大事なことは√2がかかることを覚えておくことで、波形が出てきても落ち着いて解けることかと思います。

何か参考になったら嬉しいです。

タイトルとURLをコピーしました